新商品をペルソナをもとに開発したものの、全く売れない…。
SNS広告のターゲティングが外れてしまい、効果が出ない…。
このような経験はありませんか?
ペルソナ設定はマーケティング戦略を進める上で最も重要なカギとなりますが、ペルソナが実際のターゲットと完全に一致するとは限りません。
え?ってなかなか理解しづらい話ですよね。
この記事では、ペルソナ設定がうまくいかなかった原因と、その対策について解説します。
ペルソナやターゲット設定に悩んでいる方も、この記事を読むことで、正しい設定方法と改善策が理解できるようになりますので、ぜひ最後までご覧ください。
ペルソナ設定とターゲットの違い
マーケティングにおける「ペルソナ設定」と「ターゲット設定」は、どちらも戦略を立てるうえで重要ですが、それぞれ異なります。
ターゲット設定
商品やサービスを提供する相手を広く定めます。
すなわち、商品やサービスを起点とし、それを届けるべき層(セグメント)を細分化して定めていきます。
商品・サービス⇒顧客ターゲットという流れです。
年齢、性別、居住地、職業、年収など、統計データをもとにターゲット層を特定し、どの層にアプローチすべきかを明確にします。
この段階では、ターゲットはあくまで広範な集団であり、細かな人物像までは定めていません。
ペルソナ設定
代表的な顧客像を具体的に描き出すプロセスです。
すなわち、実際に購入するであろう人が抱えている夢や悩み、そして課題を特定し、それを解消するための商品・サービスを定めます。
顧客(ペルソナ)⇒商品・サービスという流れです。
ペルソナでは、年齢や職業といった基本情報に加えて、趣味、ライフスタイル、価値観、購買行動などの詳細なプロフィールを設定します。
これにより、特定の個人を思い浮かべながらマーケティング戦略を立てることができ、より具体的なメッセージを発信できるため、プロモーションにも役立ちます。
ペルソナとターゲットを設定する理由
マーケティングにおいて、「ターゲット設定」と「ペルソナ設定」はそれぞれ異なる役割を持ち、両方を行うことでマーケティング戦略はより効果的になります。
ターゲット設定の理由
ターゲット設定は「誰に売るか」を広く決める作業です。
これにより、以下のことが可能になります。
- マーケティング活動を効率的に進め、リソースを最適に活用できる
- ブランドイメージをターゲット層に合わせて統一し、認知度の向上や市場でのポジショニングを強化できる
- ターゲット層に対する理解を深め、競合に対する市場での優位性を確立できる
ペルソナ設定の理由
ペルソナ設定は、実際に購入する「人物プロフィール」を描き出します。
これにより、以下の効果が期待できます。
- 顧客の潜在的なニーズや悩みを深く理解することで、具体的な課題解決を提案できる
- 社内で顧客像に対する共通認識を持つことで、マーケティングや営業部門との連携が円滑になる
- 独自性のあるブランディング戦略を打ち立てることができる
ターゲットとペルソナを適切に設定することで、マーケティング活動の効果は高まっていきます。
属性マーケティングのメリット解説
ペルソナ設定やターゲット設定に基づく属性マーケティングは、マーケティング戦略において多くのメリットがあります。
以下に、具体例を交えて解説します。
メリット1:広告の効率化
属性マーケティングでは、特定の顧客層に合わせた広告を配信するため、広告費用の無駄を最小限に抑えることができます。
例えば、携帯キャリアが中高学生をターゲットにする場合、年齢や性別に基づいて広告を絞り込むことで、効果的なメッセージを直接届けることが可能になります。
これにより、クリック率やコンバージョン率の向上が期待できるでしょう。
メリット2:顧客満足度の向上
顧客の属性に基づくパーソナライズ提案は、顧客満足度の向上に寄与します。
例えば、ショッピングサイトで、生後間もない赤ちゃんを育てる母親の購買履歴や年齢に基づいて商品をレコメンドすることで、その顧客に必要な商品を適切に提供できます。
このようなアプローチによって、顧客のエンゲージメントが高まり、リピート率の増加につなげることができるでしょう。
メリット3:市場での競争優位性の確保
属性マーケティングを活用することで、競合他社との差別化を図ることも可能です。
例えば、地域特有のニーズに対応する商品を提供することで、特定市場でのシェアを確保できます。
飲料メーカーが夏の暑い地域向けに特別なプロモーションや商品を開発する際には、地域の消費者の属性に適した訴求を行うことで、競争優位を築くことができるでしょう。
このように、属性マーケティングはターゲットを絞り込むことで、企業に多くのメリットをもたらします。
ペルソナ設定とターゲット設定は、マーケティング戦略の一部として設定し、それぞれが独立しているわけではなく、相互に補完し合うものと言えるでしょう。
ターゲットの設定方法
マーケティングにおける「ターゲット設定」は、STP分析(Segmentation、Targeting、Positioning)の一部として行われる工程です。
ターゲット設定は、まず市場のセグメント化から始まります。
ここでは、年齢、性別、職業、地域、購買力などの基準で市場を分ける「市場セグメンテーション」を行います。
このプロセスにより、顧客の特性が明確になり、どの顧客グループに焦点を当てるべきかが見えてきます。
次に、各セグメントの特徴を分析し、どのセグメントにアプローチするかを決定します。
この段階では、セグメントの市場規模、成長性、競争状況、収益性などの要因を考慮します。
例えば、若年層の消費者が多く、成長が見込まれる市場セグメントにターゲットを絞ることは、企業の業績アップに貢献します。
ターゲット設定が決まったら、そのセグメントに対してペルソナ設定を行います。
ペルソナ設定によって、ターゲット層の具体的な顧客像を描き出し、より効果的なマーケティング戦略を立てることができます。
ターゲット設定についての詳しい説明は、『戦略ターゲットとコアターゲットの違いを理解!マーケティング力を高めるペルソナの極意』にも詳しい説明があります。あわせてお読みいただければ幸いです。
マーケティングにおいて、ターゲット設定は成功の鍵を握る重要な要素です。 しかし、「戦略ターゲット」と「コアターゲット」の違いを理解しないままでは、効果的なアプローチは難しくなるでしょう。 この記事では、戦略タ[…]
ペルソナの設定方法
マーケティング戦略における「ペルソナ設定」の方法は次のとおりです。
順番に説明していきます。
【ペルソナの設定方法】
- データを収集する
- データを分析し、ペルソナの基本像をつくる
- ペルソナにプロフィールを加える
- 作成したペルソナの適合性をチェックする
1:データを収集する
「ペルソナ設定」の最初のステップとして、データ収集を行います。
ターゲット市場を深く理解するためには、ペルソナの根拠となるデータが不可欠です。
まず、自社の既存データを活用します。
具体的には以下の情報をチェックします:
- 自社の販売データ
- 顧客の購買履歴
- 自社サイトの訪問者分析
- SNSのエンゲージメント など
これにより、顧客の基本的な属性や行動パターンを把握できます。
例えば、Googleアナリティクスを利用することで、訪問者の地域(市町村単位)、性別、年齢、興味・関心に関するデータを入手できます。
また、Instagramの「Instagram Insights」を使用して、インプレッション、リーチ、エンゲージメント、プロフィールビューなどを分析することも可能です。
データ収集には、年齢、性別、職業、地域、収入などの情報が含まれます。
さらに、過去のキャンペーンや問い合わせから得られたデータも合わせて参考にします。
2:データを分析し、ペルソナの基本像をつくる
「ペルソナ設定」の2番目のステップは、収集したデータを分析してペルソナの基本像をつくることです。
この段階では、データから得られた情報をもとに、基本的な顧客像を作成していきます。
まず、収集したデータを詳細に分析します。
顧客の年齢層、性別、職業、地域、購買行動などの情報を整理し、共通する特徴やパターンを見つけ出します。
これにより、特定の顧客グループが持つ特性が明確になります。
この際、共通項を単に平均化するのではなく、顧客の個別的な特徴を際立たせることが重要です。
次に、分析結果を基にペルソナの基本像を作成します。
これには、顧客の基本情報(年齢、性別、職業など)だけでなく、ライフスタイルや価値観、目標、課題といった心理的要素も含めます。
例えば、
「30代、都市部に住む男性、IT業界で働き、趣味はランニングと料理、デジタルガジェットに関心があり、効率的な生活を重視」
といったリアルな人物像を描くことが求められます。
3:ペルソナにプロフィールを加える
「ペルソナ設定」の3番目のステップは、ペルソナに詳細なプロフィールを加えることです。
これにより、顧客の潜在的なニーズや悩みが明らかになり、マーケティング戦略の精度が向上します。
例えば、ペルソナの基本像が
「30代、都市部に住む男性、IT業界で働き、趣味はランニングと料理、デジタルガジェットに関心があり、効率的な生活を重視」となっている場合、
この情報をもとに「最新のテクノロジーに対する高い期待や、健康管理に対する悩み」を把握することで、ペルソナの潜在的なニーズや悩みが浮き彫りになります。
このようにペルソナに詳細なプロフィールを加えることで、顧客の具体的なニーズや困りごとが見えてきます。
その結果、マーケティング施策やプロモーション活動がよりターゲットに即したものとなり、効果的なアプローチが可能になります。
また、ペルソナに追加するプロフィール項目には、以下の代表的な例があります:
- 名前
- 年齢
- 性別
- 職業
- 役職
- 所属業界
- 居住地
- 教育背景
- 年収
- 家族構成
- 趣味・関心事
- 日常生活の習慣
- 価値観・信念
- 目標・夢
- 課題・悩み
これらのプロフィール項目を設定することで、ペルソナの潜在的なニーズや悩みが明確になります。
ペルソナ設定の事例については、「戦略ターゲットとコアターゲットの違いを理解!マーケティング力を高めるペルソナの極意」にも詳しい説明がありますので、ぜひご参照ください。
4:作成したペルソナの適合性をチェックする
「ペルソナ設定」の4番目のステップは、作成したペルソナの適合性をチェックすることです。
このプロセスは、設定したペルソナが実際のターゲット市場にどれだけ合致しているかを確認し、マーケティング戦略が効果的であるかどうかを見極めるために重要です。
まず、ペルソナの適合性をチェックするためには、実際の顧客データと照らし合わせる必要があります。
収集したデータや顧客からのフィードバックをもとに、ペルソナが現実の顧客像と一致しているかを確認します。
具体的には、ペルソナの属性や行動パターン、ニーズが実際の顧客とどれほど一致しているかを分析します。
例えば、ペルソナが特定の年齢層や職業に基づいて設定されている場合、そのペルソナが実際にその層から得られるデータと合致しているかを検証します。
次に、社内のマーケティングチームや営業チームにペルソナを共有し、彼らの視点からも意見をもらいます。
これにより、ペルソナが現場の実情に即しているかどうかを確認し、実際の顧客とのギャップがないかを評価します。
また、ペルソナに基づいたマーケティング施策を実施し、その結果をモニタリングします。
実施後のデータを分析し、ペルソナに基づいた戦略が期待通りの成果を上げているかを検証します。
もし成果が予想に届かない場合は、ペルソナを再検討し、必要な修正を加えることが求められます。
このように、ペルソナの適合性をチェックすることで、マーケティング戦略がよりターゲット市場に適したものとなり、効果的なアプローチが実現できます。
ペルソナが合致しない?ペルソナ設定の注意点
ペルソナ設定後にターゲットと合致しない場合は、以下の点に注意しましょう。
1:ペルソナは正しく設定する
まず重要なのは「ペルソナは正しく設定する」ことです。
ペルソナ設定は顧客データに基づくものであり、思い込みや妄想に頼るべきではありません。
データに基づかないペルソナは、実際のターゲットと乖離する可能性が高いため、信頼性のあるデータソースから情報を収集し、慎重に分析する必要があります。
顧客の実際の行動やフィードバックを反映し、リアルな顧客像を描くことが成功の鍵です。
2:ペルソナは常にアップデートする
ペルソナは常にアップデートすることも重要です。
ペルソナは仮説であり、市場の変化や顧客のニーズの変動に応じて柔軟に修正する必要があります。
実際の顧客とのズレが生じた場合、速やかにペルソナを見直し、最新のデータやフィードバックを反映させることが求められます。
例えば、新たな市場動向や顧客の新しい行動パターンが判明した場合、それに応じてペルソナの属性やニーズを調整し、より適切なターゲットに合わせた戦略を再構築する必要があります。
このように、ペルソナの正確な設定と定期的なアップデートを行うことで、ターゲット市場により効果的にアプローチでき、マーケティング戦略の精度を高めることが可能となります。
まとめ:ペルソナとターゲットが合致しない?!
ペルソナが実際のターゲットと合致しない原因は、データに基づかない設定や顧客の変化を見逃してペルソナのアップデートを怠っていることにあります。
正確なペルソナ設定は、マーケティング戦略の成功に不可欠です。
まさしく、マーケティングはペルソナ設定が9割です。
ペルソナが適切に設定できていれば、マーケティングは成功したようなもの。
それ以降のマーケティング活動は、ものすごく楽になり、ビジネスの成功確率も高まります。
そうは言っても、ペルソナ設定を行うってことは、難しいものです。
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インターネットの黎明期から20年間マーケターとして活躍
ウマ娘のサイバーエージェント出身
世界的No.1コンサルティング会社、大手保険会社、大手損保会社、大手人材系上場企業など多様な業種のクライアントに対してマーケティングナレッジを活用して課題解決に貢献する
特に、「顧客設定」=「ペルソナ設定」において独自ナレッジを活用し、クライアントビジネスを成功に導く
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