すぐやめる社員を防ぐ!中途採用ペルソナシートの作り方と事例紹介

「中途採用で理想の人材がなかなか見つからない…」「採用してもすぐに退職してしまう…」

そんなお悩みを抱える採用担当者様へ。

 

この記事では、中途採用を成功させるための「ペルソナシート」の作り方を、わかりやすく解説します。

ペルソナシートを活用することで、理想の人材像が具体的になり、求職者からも選ばれる企業になります。

中途採用を劇的に改善するためのポイントをお伝えします。

 

新卒採用のペルソナ作成方法については、「新卒採用を成功させるペルソナの作り方!失敗しないコツとフォーマット例」を、ぜひご参照ください。

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目次

中途採用が成功しない5つの理由

中途採用が成功しない5つの理由は、次のとおりです。

 

【中途採用が成功しない理由】

  1. 求める人材像が曖昧である
  2. 求職者との期待値にズレがある
  3. 給与や待遇が競合他社より劣っている
  4. 採用プロセスの長期化
  5. 魅力的な情報発信が不足している

順番に説明します。

1:求める人材像が曖昧である

まず、1つ目は求める人材像が曖昧な場合です。

企業がどのようなスキルや経験を求めているのかが不明確だと、採用活動の軸がぶれてしまい、適切な人材を集めるのが難しくなります。

応募者に対して明確なメッセージを伝えられないと、欲しい人材を引き寄せることはできないでしょう。

2:求職者との期待値にズレがある

2つ目の理由は求職者との期待値にズレがあることです。

企業が求めるスキルや役割の期待に対して、求職者が希望する仕事内容やキャリアパスが一致していないと、入社後のミスマッチに繋がります。

このズレを防ぐためにも、面接段階で現実的な業務内容や役割を明確に伝えることが重要です。

3:給与や待遇が競合他社より劣っている

3つ目は、給与や待遇が競合他社より劣っている点です。

中途採用市場では競争が激しく、求職者は複数の企業を比較して応募を決めます。もし企業の給与や福利厚生が市場の水準に達していなければ、優秀な人材を引きつけるのは難しいでしょう。

ただし、金銭的な給与はあくまでも一つの選択肢の要因であることをお忘れなく。

もちろん、転職するからには一つの重要な要素ではありますが、お金だけでは継続的に魅力を引き付けることはできません。

柔軟な働き方や成長機会、働く環境やともに働く従業員などの魅力も見直す必要があります。

4:採用プロセスの長期化

4つ目は、採用プロセスが長引くことです。

中途採用の候補者は他の求人にも応募していることが多く、プロセスが遅いと優秀な人材を他社に取られてしまう可能性があります。

迅速かつ効率的な選考を行い、候補者の興味を引き続けることが大切です。

5:魅力的な情報発信が不足している

5つ目は魅力的な情報発信が不足している点です。

求職者は、企業のホームページやSNS、求人サイトの情報を通じて企業の魅力を判断します。会社のビジョンや企業文化、仕事環境の魅力が十分に伝わらなければ、他社を選ばれる可能性が高まります。

採用ブランディングを強化するなど、求職者に「この会社で働きたい」と思わせる情報発信が求められます。

中途採用におけるペルソナ設定のメリット

さて、中途採用におけるペルソナ設定のメリットを下に挙げます。

 

【中途採用ペルソナのメリット】

  • 採用選考基準が一貫する
  • 適切な人材を見逃すリスクを減らせる
  • ミスマッチを防ぐことができる
  • 職場の雰囲気に合った人材を採用できる
  • 早期退職の防止につながる
  • 求職者に効果的にアピールできる

 

ペルソナ設定を行うことで、企業全体で採用したい人物像が明確になり、採用基準が統一化されます。

これにより、適切な人材を見逃すリスクが減少します。面接では候補者のスキルや性格を正確に評価できるようになるでしょう。

 

さらに、ペルソナ設定にはスキルや経験だけでなく、性格や価値観も含まれます。

例えば、子育て中の求職者をターゲットにする場合、残業の少なさや柔軟な勤務体制を強調することで、より適した人材からの応募が期待できます。

このように、ペルソナ設定は採用の質と効率を高め、入社後の定着率向上にも貢献する手段となります。

すぐやめる社員を防ぐ!中途採用ペルソナシートの作り方

次からは、中途採用ペルソナシートの作り方を、ステップごとに紹介します。

【中途採用ペルソナシートの作り方】

  1. 基本情報をまとめる
  2. 求職者の目標や価値観を考える
  3. 求職者の課題や悩みを考える
  4. 会社に求める条件を考える
  5. 採用プロセスを設計する

 

中途採用ペルソナシートの作り方①基本情報をまとめる

まずはじめに、自社の現状を分析します。

活躍している社員の特徴や、会社が求める人材像を理解するために、人事部門だけでなく、現場の管理職にもヒアリングを行いましょう。

これらの情報をもとに、具体的な人物像を作成します。

たとえば、「32歳男性、大卒、IT業界で7年の経験、年収600万円、プロジェクトマネジメントのスキルあり、ワークライフバランスを重視」

といった具合です。

「年齢」「性別」「学歴」「職歴(年数や業界)」「現在の年収」「保有スキルや資格」を具体化していきます。

 

中途採用ペルソナシートの作り方②求職者の目標や価値観を考える

次に、その人物が持つ仕事に対する、目標や重視する価値観を考えます。

たとえば、仕事のやりがいや成長機会を重視するのか、ワークライフバランスを大切にするのかをイメージします。

「仕事に対する価値観」「趣味・関心事」「情報収集の方法(よく使うSNSなど)」を詳細に設定します。

 

中途採用ペルソナシートの作り方③求職者の課題や悩みを考える

ペルソナが転職を考える理由や課題についても設定します。

たとえば、現職でのキャリアアップが望めない、給与や待遇に不満があるといった、転職を考えるきっかけとなる要因を洗い出します。

「転職理由」「現在の課題や悩み」を具体化していきます。

 

中途採用ペルソナシートの作り方④会社に求める条件を考える

続いて、ペルソナがどのような条件の会社を探しているかを明確にします。

給与、勤務地、福利厚生、企業文化など、何を重視しているのかを考え、「転職後の会社に求めること」を具体化します。

この項目は、求人掲載や面接の準備に役立つでしょう。

 

中途採用ペルソナシートの作り方⑤ 採用プロセスを設計する

最後に、ペルソナがどのような採用プロセスを好むかを設計します。

応募から面接、内定までのプロセスをスムーズに進めるために、各段階でどのような対応を行うべきかを考えましょう。

作成したペルソナシートは、採用に関わる全ての人と共有し、面接官や人事担当者が同じイメージを持つことで、採用活動が円滑に進みます。

ペルソナは1つに限らず、複数作成しても構いません。ただし、あまり多くすると焦点がぼやけてしまうので、2〜3個程度に抑えるのが良いでしょう。

中途採用におけるペルソナシートの具体例

ここからは、中途採用のペルソナシートの具体例を紹介します。

「一般社員採用」「主任リーダー職採用」「管理職採用」の順に見ていきます。

一般社員採用の場合

  • ITベンダー企業が、一般職のエンジニアを採用したい場合

【中途採用ペルソナ例】

名前 鈴木 健太(すずき けんた)
年齢 28歳
性別 男性
学歴 私立大学・情報工学部 卒業
職歴 5年(システム開発会社での開発エンジニアとしての経験)
現在の年収 450万円
保有スキルや資格 プログラミング言語: Java, Python, JavaScript
フレームワーク: Spring, React
データベース: MySQL, PostgreSQL
AWS 認定資格(アソシエイト)
仕事に対する価値観 ゲーム開発(個人プロジェクトでアプリを作成)
テクノロジー関連のニュースやトレンドを追う
映画鑑賞や読書(特にSF小説)
趣味・関心事 ゲーム開発(個人プロジェクトでアプリを作成)
テクノロジー関連のニュースやトレンドを追う
映画鑑賞や読書(特にSF小説)
情報収集の方法 Twitter(業界の専門家やトレンドをフォロー)
LinkedIn(プロフェッショナルネットワーク)
技術系フォーラムやコミュニティ(Stack Overflow, Qiita)
転職理由 現在の職場では成長の機会が限られていると感じている
より挑戦的なプロジェクトに関与したい
給与や福利厚生の改善を求めている
現在の課題や悩み スキルの伸び悩み(新しい技術に触れる機会が少ない)
職場の雰囲気が閉鎖的で、アイデアを提案しづらい
ワークライフバランスの欠如を感じている
転職後の会社に求めること 技術力向上のための研修や勉強会が充実している
フラットでオープンなコミュニケーションができる文化
社員の意見を尊重し、プロジェクトに活かせる環境
ワークライフバランスを重視した働き方ができること

 

主任リーダー職採用の場合

  • 製薬会社が、主任リーダー職を採用したい場合

【中途採用ペルソナ例】

名前 山田 玲子(やまだ れいこ)
年齢 35歳
性別 女性
学歴 国立大学・薬学部 卒業
職歴 10年(製薬会社での研究開発とプロジェクトマネジメントの経験)
現在の年収 750万円
保有スキルや資格 薬剤師資格
PMP(Project Management Professional)
分子生物学や薬理学に関する専門知識
英語(ビジネスレベルの会話・文書作成能力)
仕事に対する価値観 チームの協力を重視し、メンバーの成長を支援する姿勢を大切にしている
患者や社会への貢献を重視し、倫理的な判断を大切にしている
趣味・関心事 ヨガやランニング(健康維持のため)
新しい薬や治療法に関する書籍や論文を読むこと
地域ボランティア活動に参加(医療知識を活かした啓発活動)
情報収集の方法 LinkedIn(業界の専門家やトレンドをフォロー)
医療関連のオンラインフォーラム(ResearchGateなど)
業界誌や学会のニュースレター
転職理由 現在の会社では成長の機会が限られており、新たな挑戦を求めている
より影響力のあるポジションでリーダーシップを発揮したい
ワークライフバランスを重視し、柔軟な働き方が可能な環境を探している
現在の課題や悩み 現職でのキャリアアップが難しいと感じている
チーム内のコミュニケーション不足が業務に影響を与えていると感じている
子育てと仕事の両立に苦労している
転職後の会社に求めること チームメンバーの意見を尊重し、オープンなコミュニケーションができる文化
女性のリーダーシップを重視し、キャリアアップの支援が充実していること
フレキシブルな勤務形態を提供し、ワークライフバランスを支援する取り組み

 

管理職採用の場合

  • 半導体メーカーが、生産管理部門の管理職を採用したい場合

【中途採用ペルソナ例】

名前 高橋 明(たかはし あきら)
年齢 45歳
性別 男性
学歴 国立大学・工業経営学部 卒業
職歴 20年(半導体業界における生産管理、工程改善、マネジメントの経験)
現在の年収 1,100万円
保有スキルや資格 プロジェクトマネジメント(PMP資格)
Lean Six Sigma(生産効率化の手法)
統計的品質管理(SQC)に関する知識
英語(ビジネスレベルの会話・文書作成能力)
仕事に対する価値観 効率性を重視し、プロセス改善によって業務の生産性向上を図ることに価値を見出している
チームの協力を促進し、メンバーの成長を支援するリーダーシップを重視
趣味・関心事 最新の製造技術やトレンドの研究(特に自動化やIoT技術)
サイクリング(健康維持とストレス解消)
料理(新しいレシピを試すことが好き)
情報収集の方法 LinkedIn(業界のリーダーや企業情報をフォロー)
業界関連のウェビナーやセミナー参加
専門誌やオンラインフォーラム(生産管理に関する情報)
転職理由 現在の職場でのキャリア成長が見込めず、新たな挑戦を求めている
より大規模なプロジェクトやプロセス改善に関与したい
ワークライフバランスを重視したいと考えている
現在の課題や悩み 生産ラインの非効率性が業務に悪影響を与えていることを懸念
チームメンバーのモチベーション維持に苦労している
業界の急激な変化に適応するためのプレッシャーを感じている
転職後の会社に求めること 成長の機会を提供し、技術革新に積極的な企業文化
チームメンバーの意見を尊重し、オープンなコミュニケーションができる環境
スキルアップやキャリア開発のための支援プログラムが充実していること
競争力のある給与と福利厚生

 

新卒とは何が違う?中途採用ペルソナのポイント

中途採用ペルソナは、即戦力となる経験やスキルを重視して作成します。

一方、新卒採用では、将来性や適応性に重点を置くのが一般的です。

 

以下の図は、中途採用ペルソナと新卒ペルソナを作成する際の『違い』を示しています。

【中途採用と新卒採用の比較表】

項目 中途採用ペルソナシート 新卒ペルソナシート
対象 職務経験のある社会人 社会に出て働き始める学生
重視するポイント 実際の経験やスキルに基づいた判断が重要
・職歴やスキル
・転職理由
・年収や待遇
将来性や性格にフォーカス
・学歴や専攻
・性格や価値観
・趣味や活動歴
評価基準 即戦力としての能力
長期的な貢献可能性
チャレンジ精神
協調性
成長意欲
会社のカルチャーとのフィット感
経験の扱い 具体的な職務経験を重視 職歴や実務経験はない
学生時代の活動を評価
キャリアの段階 キャリアの途中 キャリアの始まり
待遇面の考慮 現職の年収や待遇を考慮 あまり重視されない

 

新卒採用のペルソナ作成方法については、「新卒採用を成功させるペルソナの作り方!失敗しないコツとフォーマット例」を、ぜひご参照ください。

✅あわせて読みたい

「せっかく採用した新卒社員がすぐに辞めてしまう…」 このようなお悩みを抱えていませんか?   もしかすると、あなたの会社が求める人材像と応募者のニーズが、合っていないのかもしれません。 そこで有効なのが、「[…]

 

ペルソナを活用して、中途採用活動を劇的に変える3つのステップ

さてここからは、ペルソナシートを使い、中途採用を成功に導く3つのステップを紹介します。

 

【採用活動を劇的に改善する3つのステップ】

  1. ペルソナに合った求人広告を作成する
  2. 利用しやすい転職サイト選定する
  3. 悩みに応える採用ページ作成する

 

ステップ1: ペルソナに合わせた求人広告を作成する

最初のステップは、設定したペルソナの特徴や興味、価値観に基づいた求人広告の作成です。

求める人材の年齢、職歴、スキル、転職理由を明確にし、ターゲットに響く言葉やメッセージを盛り込みます。

例えば、ペルソナの悩みや課題に対する解決策を提示することで、より魅力的な広告になります。

「営業ノルマのストレスから解放」「自己成長の機会が豊富」といった具体的なメッセージが考えられます。

 

ステップ2: ペルソナが利用しやすい転職サイトや人材紹介会社を選ぶ

次に、ペルソナがよく利用する転職サイトや人材紹介会社を選定します。

ペルソナの年齢層、職種、業界によって、適切な転職サイトは異なります。

例えば、IT業界のエンジニアをターゲットにしている場合は、IT専門の転職サイトや技術者向けのコミュニティサイトでの求人掲載が効果的です。

また、ワークライフバランスを重視している場合には、地域密着型の求人サイトの併用も考慮に入れると良いでしょう。

何よりペルソナを理解されている紹介会社であれば、コミュニケーションも円滑に進みますよね。

 

ステップ3: ペルソナの関心や悩みに応える採用ページを作成する

最後のステップは、自社のウェブサイトに設置する採用ページに、ペルソナの関心や悩みに応える内容を盛り込みます。

このページでは、求人広告よりも詳細な情報を提供し、ペルソナが抱える疑問や不安を解消することを目的とします。

例えば、「よくある質問」セクションを設け、ペルソナが気になりそうな点について丁寧に回答します。

 

また、実際に働いている社員のインタビューや1日のスケジュール紹介など、具体的な働き方をイメージできるコンテンツを用意します。

ペルソナが重視するポイント(キャリアアップの機会、福利厚生、社内の雰囲気など)について詳しく説明するページは、特に注目されるでしょう。

 

まとめ:中途採用ペルソナシートの作り方

理想の人材を採用するために、中途採用においてもペルソナシートの作成は欠かせません。

求職者に選ばれる企業を目指すのであれば、ペルソナシートを活用したアプローチをぜひ取り入れてみてください。

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