コンテンツマーケティングの成功には、顧客の視点に立ったコンテンツ企画が欠かせません。
共感を呼ぶコンテンツ制作は、カスタマージャーニーを駆使することで可能となります。
この記事では、カスタマージャーニーの作り方を、具体例を交えながら体系的に解説します。
最後までお読みいただくことで、顧客の心を掴む、コンバージョン率の向上につながるコンテンツ作成ができるようになります。
コンテンツマーケティングの成功はここから始まる!カスタマージャーニーの重要性
コンテンツマーケティングを成功させるためには、カスタマージャーニーが欠かせません。
カスタマージャーニーとは、顧客が商品やサービスを認知し、購入に至るまでの一連のプロセスを視覚化したものです。
このプロセスを明確にすることで、顧客がそれぞれの段階でどのような情報を求めているかを把握し、適切なタイミングでコンテンツ提供できるようになります。
カスタマージャニーを作成する4つのメリット
- 顧客への理解が深まる
顧客の行動や感情の変化を細かく把握し、顧客の心理状況に応じたコンテンツ提供ができるようになります。
- 顧客視点で発想できる
商品やサービスを顧客の視点から見直すことで、信頼されるコンテンツが提供できるようになります。
- チーム内で共通認識が持てる
部門間の理解が深まることで、コンテンツ作成をはじめ、マーケティングコミュニケーションに一貫性を持たせることができます。
- マーケティング施策の効果が高まる
顧客の行動を予測することで、コンテンツ配信する媒体や形式を最適化できるようになります。
カスタマージャーニーの作成により、コンテンツの方向性が明確になるため、無駄なコンテンツ制作はなくなります。
人的リソースや予算の最適化が図れるでしょう。
【実例紹介】カスタマージャーニーが導くコンテンツマーケティング
さてここで、コンテンツマーケティングの成功例として、マーケティングサービスを提供するferretのカスタマージャニーマップをご紹介します。
引用画像:https://ferret-one.com/
図中の上から示されている内容は、次のとおりです。
- 認知から購入までのプロセス(集客→リード獲得→リード育成→クロージング)
- 各プロセスの顧客の行動(サイト・ブログ→資料ダウンロード→セミナー参加→商談)
- 各プロセスにおける施策目的の明確化
- 施策目的に沿ったマーケティング施策
- 顧客の心理を丁寧に分析
成功例を参考にして、カスタマージャーニーがうまく機能するポイントを説明します。
認知から購入までのプロセス
認知から購入までの各プロセスが自社サービスに適している点が挙げられます。
顧客が初めてサービスを知る段階から、情報を集めて比較する段階、そして最終的に購入を決断するまで、それぞれのプロセスで顧客に必要な情報を提供することが重要です。
認知は集客段階とも捉えられ、最終的には対面で商談を行うよう、プロセス設計されています。
各プロセスの顧客の行動
認知段階となる集客では、顧客は初めてサービスに接するため、比較的シンプルで興味を引くコンテンツが求められます。
ここでは顧客の行動を予測し、クリック率やエンゲージメント率を高める広告や記事を展開することも可能になるでしょう。
クロージングに近づくにつれて、顧客は詳細な情報を求めるようになるため、ブログのFAQ、ホワイトペーパー、セミナー参加といった情報も提供可能となります。
各プロセスで顧客が求める行動をしっかりと把握することで、効果的な施策に繋がります。
各プロセスにおける施策目的の明確化
各プロセスにおける施策目的が明確であることも成功のカギです。
例えば、集客段階では、顧客とのタッチポイントを増やすなど、それぞれのプロセスにおいての目的を明確に設定することで、効果的なマーケティング施策を展開でき、無駄なコストを省くことができます。
施策目的に沿ったマーケティング施策
マーケティング施策が目的と合致していることが、カスタマージャニーの成功には欠かせません。
例えば、顧客とのタッチポイントを増やすことが目的の場合、SNSを使った広告やSEO対策が効果的です。
クロージング段階での目的が「対面でのセールス」であれば、セールスチームのトレーニングにも重点を置くことになるでしょう。
顧客の心理を丁寧に分析
集客段階では「このサービスは自分に関係あるのか?」といった興味から、プロセスが進むにつれて「他の選択肢と比較して本当に自分に合っているか?」という関心に移っていくでしょう。
これらの心理状態を的確に把握し、コンテンツやコミュニケーションを展開することが、顧客の信頼を獲得し、行動を促すための大切な要素となります。
コンテンツマーケティングにおける効果的なカスタマージャーニーの作り方
次からは、コンテンツマーケティングにおけるカスタマージャーニーの作り方を、9つのステップに分けて説明します。
【コンテンツマーケティングにおけるカスタマージャーニーの作り方】
- 目標を設定する
- 顧客像を明確化する
- ゴールへの段階を整理する
- 顧客の感情や思考を推測する
- 各プロセスに必要なコンテンツを考える
- 接点を特定する
- コンテンツを計画する
- カスタマージャーニーをマップにまとめる
- 継続的に改善する
1. 目標を設定する
まずはじめに、最終的な目標や達成すべき成果(ゴール)を決めます。例えば、
- 売上を増やす
- 見込み客を増やす など、
具体的なゴールを設定しておくことで、後ほど作成するコンテンツが明確になっていきます。
2. 顧客像を明確化する
次に、ターゲットとする顧客がどのような人物かを考えます。コンテンツマーケティングでは、顧客が抱える問題や欲しい情報を提供することが重要です。
そのためには、理想的な顧客像(ペルソナ)を作成することが有効です。年齢、性別、職業、趣味、悩みなど、具体的な特徴を設定することで、ターゲットとなる顧客をイメージしやすくなります。
3. ゴールへの段階を整理する
顧客が自社の製品やサービスを知り、最終的なゴールに到達するまでのプロセスを段階ごとに整理します。
一般的には「認知」「興味」「比較」「購入」のプロセスがありますが、これを自社に当てはめて考えます。
リピーター獲得を最終ゴールとする場合、「利用後」も追加されるでしょう。また、カスタマージャーニーは必ずしも直線的ではなく、各プロセスを行き来したり、同時に複数のプロセスが重なっていることもあります。
自社のサービスや顧客像に合わせた、プロセスを設計することが求められます。
4. 顧客の感情や思考を推測する
各プロセスでの顧客の気持ちや考えを想像します。それぞれのプロセスには不安や期待、疑問などの課題が存在します。
顧客の視点に立って推測し、様々な感情を書き出します。これらの課題を解決することが、良質なコンテンツ作成につながります。
5. 各プロセスに必要なコンテンツを考える
それぞれのプロセスにおいて、顧客が何を知りたいのかを考え、それに合わせたコンテンツを用意します。例えば:
- 認知:業界の話題や自社のメリットを伝える記事
- 興味:問題解決の方法やよくある質問に答えるQ&A記事
- 比較:他社と自社を比べる情報や使用例、既存顧客の声
- 購入:無料デモや試用版、クーポン発行
などが考えらます。
6. 接点を特定する
顧客とコンテンツが出会うプラットフォームや機会を洗い出します。
ウェブサイト(Google検索結果)、インスタグラム、口コミなど、あらゆる接点を考慮します。各プロセスで顧客がどのような行動をとるかを考えましょう。
例えば、認知段階ではSNSで情報を見つけ、検討段階では口コミを確認するなどが考えられます。
7. コンテンツを計画する
上述のStep5のコンテンツについて、各プロセスに適した形式を考えます。
オウンドメディア運営、ホワイトペーパー作成、ウェビナーなどの動画、メールコンテンツ配信などの形式があります。
8. カスタマージャーニーをマップにまとめる
最後に、これらのプロセスを視覚化してまとめます。
顧客がどのタイミングでどんな情報を必要とするのかが一目でわかるようにすると、コンテンツの計画と管理ができるようになります。
時系列や段階ごとに整理するのがポイントです。
9. 継続的に改善する
実際の顧客の反応や行動データに基づき、定期的にマップを更新し、改善を図ります。
コンテンツマーケティングで成功するペルソナ設定方法
さてカスタマージャーニーの成功の鍵は、ターゲットとなる顧客像(ペルソナ)の視点に立ち、彼らの課題を解決することにあります。
そのため、ペルソナをしっかり設定しておく必要があります。
コンテンツマーケティングにおけるペルソナ設定の手順を、詳しく見ていきましょう。
顧客を絞る
コンテンツマーケティングのゴールを設定することで、自社のサービスや商品が誰に向けたものなのか明確になります。
幅広い層をターゲットにするのではなく、「業務に追われるデスクワーカー」や「中小企業の経営者」など、特定の層に絞ることが大事です。
顧客の基本情報を整理する
ターゲットとなる顧客の基本情報を集めます。年齢、性別、職業、家族構成などをできるだけ具体的に設定しましょう。
例えば、「35歳、東京都在住、ベンチャー企業に勤める会社員」といった具合に、詳細に描きます。
顧客の悩みや目標を理解する
ペルソナを作る際には、顧客がどのような悩みを抱えているか、どのような目標を持っているかを知ることが重要です。例えば、
- 限られた予算で質の高いコンテンツを作成したい
- リモートワークでの効果的なコミュニケーション方法を探したい
- チームメンバーの役割が曖昧で、業務効率を上げたい
といったニーズを具体的に考えます。
顧客の行動パターンを把握する
顧客が何の情報を求め、どのような行動を取るのかをリサーチします。
日常的に利用しているメディアは何か、SNSの利用状況や、行動のパターンなどを調べましょう。
ペルソナをカスタマージャーニーと結びつける
ペルソナが明確になることで、カスタマージャーニーの作成も現実味を帯びてきます。
ペルソナ設定の詳しい方法については、「戦略ターゲットとコアターゲットの違いを理解!マーケティング力を高めるペルソナの極意」にも説明がありますので、あわせてご覧いただけると幸いです。
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カスタマージャーニー設計でよくある失敗例と対策
ここからは、コンテンツマーケティングにおけるカスタマージャーニー設計でよくある失敗例を、Q&A形式でご紹介します。
顧客が集まらない
ターゲット設定が曖昧な場合、誰に向けたコンテンツなのかが不明確となり、読み手に”響かない”情報になります。
年齢や性別、ニーズを具体的に設定しないと、集客につながりません。顧客像(ペルソナ)を設定し、その人物が抱える問題や関心をしっかり把握しましょう。
スタート時は、ペルソナを2~3名程度、用意することも考えられます。
アンケートやインタビューを通じて、実際の顧客の声を聞くことも重要です。
他にも、顧客との接点(タッチポイント)に見落としがないか、しっかりチェックしましょう。
コンテンツは用意しているが顧客が興味を持ってくれない
購買プロセスに適したコンテンツが、提供できていない可能性があります。
見込み顧客が購入までのどのプロセスにいるかを考慮せずに、一律のコンテンツを提供していませんか?
例えば、商品を初めて知る段階の人に、専門的な情報を伝えても関心は持たれません。
あえて言い回し表現を、わかりやすく変更することも大切です。
顧客が「商品を知る段階」「比較する段階」「購入を決める段階」に応じて、最初は簡単な説明から始め、次に詳細な比較、そして購入手続きの案内へと進めるのが一般的です。
また、コンテンツに一貫性がなく、情報が散乱していると、顧客を惑わせる原因になります。
企業側の都合だけで設計せず、顧客の行動や感情を考慮してカスタマージャーニーを設計しましょう。
最近アクセスが伸び悩んでいる
一度作ったコンテンツをそのままにしておくと、情報は古くなり、ユーザーが離れてしまうことがあります。
3ヶ月や半年ごとにコンテンツを更新し、顧客ニーズの変化に対応しましょう。
また、新しいデータやトレンドに基づいた情報を発信することで、信頼性を維持することもできます。
顧客の立場に立ち、常にカスタマージャーニー設計の改善を心がけることが重要です。
カスタマージャーニーを活用してコンテンツ企画を立てよう
カスタマージャーニーは、コンテンツマーケティングの成功に欠かせない要素です。
カスタマージャーニーの設計は、ターゲットとなるペルソナの視点に立ち、彼らの課題を解決することから始まります。
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インターネットの黎明期から20年間マーケターとして活躍
ウマ娘のサイバーエージェント出身
世界的No.1コンサルティング会社、大手保険会社、大手損保会社、大手人材系上場企業など多様な業種のクライアントに対してマーケティングナレッジを活用して課題解決に貢献する
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